いやー、もう何ていいますか、これからの時代には出会えないような
端正で簡潔で無駄なく力強く味わい深い文章。
ほれぼれします…。
40数年ぶりにリメイクされた『パピヨン』。
このタイトルの書体、いいなー、って思ってたら元祖版に合わせたのね。
はい、日本では74年に公開されたのがこちらです。
これを見たときは小学生だったんですが
なんだかこっちの方が迫力があったような…
そしてたまたま見た『NHKスペシャル』に圧倒され思わず買ったのが
他人さまの死生観をとやかく言いませんが
相当の意思と達観と支え残される家族たちの気持ちと…
この方のたくさんの作品を系統だって理解していないのですが
どれを読んでも面白い。
あんな事情だったのね!?
早めの夏休みを貰い、いざ本を持って機上のひとに。
今や安定の北欧ミステリ、ヨハン・テリオン『黄昏に眠る秋(早川書房)』、
この邦題どうなんですか?
しかしまさかあの人物があんなことをする人だったとは…!
石井英夫さんのファンとして、巻頭コラム『紳士と淑女』に
唸ったりクスッとしたりしていたので思わず。
著者の半生記みたいですがB社社内の事情が垣間見られました。
南のある小さな島にたった二人で暮らす老女と、訪ねてきた娘。
アジサシの姿になって様子を見にくる亡父。
力強く哀しいファンタジーで現実、素っ気なく見える母娘の愛情と防衛と。
ペネロペ・クルスさまを拝みに『誰もがそれを知っている』。
ペネロペのお母さん役の方の存在感が大きくなってきて…
夫役は『瞳の奥の秘密』のリカルド・ダリンさんじゃないですか。
家族が多いので人物相関図を頭に描きながらどうぞ!
今年の吉川英治文学賞だそうです。
長編でも読ませるし、なりすましのストーリーが面白いのですが
そのあとすぐに村田喜代子先生の作品を読んじゃって…
うーん、この先生の作品はたいてい好きですがこれは微妙。
上巻で息子が窓から投げ捨てたという、まだたくさん残ってるビール缶が
どうなったか、そればっかりが気になりました。