姫路への車中で『世界遺産姫路城を鉄骨でつつむ。(文藝春秋)』。
大天守の屋根瓦の葺き替えと全面的な漆喰の塗り替えが
5年半あまりかけて行われた『平成の大修理』の実録です。
読んでテンション上げて実際に見られるという贅沢な読書、
特に空撮のこの写真にはヤラれました。
屋根全面に屋根目地漆喰をすると最初はこんなに白くなるんですね。
まわりの小天守の屋根と比べるとその白さが際立っていますが
数年内にカビやコケで灰色になっていくと姫路フェスタのOさんに習いました。
実際に大天守から見るとこんな感じ、
手前の大天守の塗り立ての目地漆喰と
向こうの小天守のそれとのコントラスト。
小天守の懸魚(けぎょ)も見逃せません。
懸魚って? この本で初めて知ったことばですが
屋根妻の棟木や桁を隠すための装飾板で、色々な文様があり、
左官職人の腕のみせどころだそうです。 いいですねぇ。
この写真では新調された鯱瓦と懸魚が見えます。
外壁はもちろん、軒下に至るまですべて漆喰を塗る
『白漆喰総塗籠造り』だとこんなにピカピカになるんですね。
まさしく『白鷺城』です。
見上げて撮りました。
右が塗ったばかりの大天守の軒下、
雨に濡れないせいか左の小天守もこの部分はそう変色していませんが
それでも白さが違いますね。
大天守を下から、本当に優美です♡
世界遺産ゆえ、足場を組むのに地面に杭も打てない、
火気厳禁なので溶接もできないという条件下
少数精鋭で腕利きのクレーンオペレーターや鳶職人が
集結したそうです。 いいないいな。
明治時代、
荒れ果てていた姫路城の修復をするのに大きな力となった
陸軍の中村重遠大佐を記念する石碑も。
そんな逸話もこの本で知りました。
オマケ、隣接する姫路市立動物園の姫子もきれいな大天守が嬉しいのか
日陰で耳をパタパタさせていました。