浪曲好きなのにちゃんと知らなかった親分の人生、
平井晩村『国定忠次(国書刊行会)』で今さらながらお勉強。
驚いたのがこの本、このまま浪曲の台本になるぐらいの
切れとリズムなんです。
早逝した作者、故郷前橋では詩人として碑も建っているようですがしかし、
『一家一門は同じ幹に咲く花だ。 自分ばかりが栄華をしては
天道様の罰が当たるぞ。』
…など、忠治親分の啖呵も残して欲しいです。
第二次世界大戦中でもあちらのギャングはこんなに優雅だったのか。
『葉書が届く』『不在』『風が伝える名前』など、血みどろの内容と違い
各章のタイトルが素敵でした。